有機ミニトマト

トマトはリコピン、カロテノイド等の様々な栄養素が豊富で、体に良い野菜です。
台湾で栽培されているミニトマトの品種には、聖女、玉女、フルーツトマト、ミルク、小春、希少な金瑩、ルビー、南部で栽培の盛んな美濃オレンジハニー、雲林‧嘉義‧台南の沿岸で栽培される鹽地トマト、苗栗の蜜三トマトなど、全台湾に約40種の品種があり、それぞれの味と栽培に特徴があります。

通称「蜜トマト」と呼ばれる蜜三ミニトマトは皮が薄く、味が濃厚な人気のトマト品種です。美濃オレンジ蜜香トマトは、皮が薄く肉が厚く果汁が豊富で、甘みと軽い酸味があり、美濃の冬季農業特産物の代名詞となっています。

台湾でのトマト栽培は、オランダによる台湾占領時代から始まったと言われ、文献による記載は日本統治時代に始まりました。1909年に試験的普及がなされ、新鮮な生食用トマトと加工トマトの品種が導入され、1927年には台湾の加工トマト製品が日本に輸出されるようになりました。

1970年以前は大型のトマトが主流でしたが、経済環境の改善に伴い、農家はミニトマトの栽培を開始しました。1989年、民間の種苗会社は「聖女」品種を発売し、長細い球形で糖度が高く、一口サイズのかわいいトマトとして消費者に愛されています。

高温多湿な台湾では、近年、シルバーリーフコナジラミが媒介するトマト巻葉病が深刻な被害をもたらしました。そのため、花蓮區農業改良場とアジア野菜研究発展センターが協力して、トマト巻葉病にかかった品種の選択交配を行い、耐病性に優れたハイブリッド種を作りだしました。そして、7年間の努力の末、2004年に「花蓮亞蔬21号」を発売しました。

トマトが野菜なのか果物なのかは長い間議論されてきましたが、1893年、米国最高裁判所は正式に、トマトが野菜であるとの判決を下しました。台湾の食生活においては、大型トマトは野菜、ミニトマトは果物であると一般に認識されています。

台湾では、トマトの生産に適した季節は秋冬で、その時期のとトマトは味がよく、真夏と雨の多い季節を避ければ、品種の特性によっては各地で栽培が可能です。現在、南投、嘉義、台南、高雄で多く栽培されています。 有機ミニトマトは、pH値が5.6～7.5の有機物が豊富な土壌が栽培に適しています。水はけの良い砂質の土壌を好み、高温を嫌い、雨が続くと果物にひび割れが生じ、外観が損なわれます。

近年、有機栽培のミニトマトは網室栽培されることが多く、竹枠やアーチ型チューブに沿って茎を這い上がらせる方法が使われており、小規模有機農家は、有機液体肥料やスリバクテリアなど、有機基準を満たす方法を採用しています。 トマトの生産期間は10月から翌年の6月までです。

ミニフルーツトマトは、そのまま食べるほか、ジュースや酢を作ったり、氷砂糖‧梅‧レモン汁と煮て前菜としても楽しめます。また、砂糖漬けやドライフルーツ、アイスクリームにも加工でき、日常のおやつやキャンプ、ピクニックのデザートとしても最適です。