台湾有機仙草

「仙草」という名称が初めて出現したのは《中国薬植図鑑》で、《職方典》には仙人草という名称で記載されています。《中薬大辞典》の記載によると、仙草は暑さを和らげ喉の渇きを癒し、解熱解毒作用があります。また、科学的研究により、仙草には抗酸化作用があり、フリーラジカルを除去することも実証されています。その植物コロイドは、美肌美容に大変良い効果があります。

有機仙草は陽生植物で、水はけの良い場所を好み、温度差が大きいほうが葉が厚く育ちます。仙草は株の全体を利用でき、台湾では非常に早くから栽培されるようになり、産地は新竹の関西、嘉義の水上、南投の集集、花蓮の吉安、宜蘭の羅東などです。そのなかでも、新竹の関西は台湾仙草の主要栽培地で、仙草博物館が設立され「仙草の故郷」と言われています。

仙草は適応性が高く、害虫や病気の心配が少ないのが特徴です。植え付けの初期段階では小枝が昆虫に食べられたり、中期では萎れや青枯病が発生し、後期にはハムシが発生しますが、被害はそれほど大きくならないため、 成長期間である約100日間、農薬を噴霧する必要がなく、有機栽培に適しています。

白露の後から中秋節前までが仙草の収穫に最適な時期です。ちょうどこの時期は雨が少なく、収穫・乾燥作業に適しています。 新鮮な仙草を鍬で掘り起こした後、土をはたき落とし、雑草を取り除いて太陽の下で4〜7日間干して、そのまま保存できます。その後、約60斤（36kg）ごとに束にします。乾燥仙草は追熟可能な作物で、通常6ヶ月寝かせると草臭さがなくなります。熟成後は仙草のコロイド値や香りが高まり、1年寝かせたものの香りが最高と言われます。

台湾には、直立性、半直立性、這い性の三種類の有機仙草があります。

新竹の関西地区では、収穫に手間のかかる深度這い性の品種を、南部の水上郷地区では直立性品種を多く栽培しています。 現在関西に植えられている仙草は、かつて中国から輸入され、農業実験場で改良された「桃園1号」で、コロイド含有量が多く、香りが高く、優れた仙草品種です。

台湾では一年を通じて、爽やかな仙草の風味を楽しむことができます。温かくも冷たくも、両方で味わうことができるのが、台湾のデザートの大きな特徴です。 仙草の食用方法はいろいろあり、煮出した仙草茶、固めた仙草ゼリー、熱くとろみのある焼仙草、最近版の淹れて飲む仙草茶などです。 インスタントの溶かして飲む仙草粉や濃縮仙草ジュースもありますし、若者達の好みに応えるため、仙草ミルクティーや仙草ミルクゼリーもあります。

仙草を料理に入れたりスープにするのを美食家は好みます。煮込んだスープ、くずきり状の仙草板條、仙草水餃子、さらにはパン粉をまぶして油で揚げ、タレをつけていただく揚げ仙草などのバリエーションがあり、仙草が民衆に人気がある食べ物であることがわかります。

農業研究所は、蒸しパン、ケーキ、アイスクリームに加えて、調味や天然の着色剤として使用できる、のグリーン仙草パウダーを開発しました。 台湾の学界でも、仙草からコロイドを抽出する研究が始まっています。天然の抗菌成分を野菜、果物、畜産製品の保存に役立てようと、脱色後澱粉と結合・凝固させた食用フィルムを作る研究に着手しています。