天国のから来た果物　有機ナンバンカラスウリ

形は丸くて明るいオレンジ色で、フグのようなトゲトゲで覆われています。切ってみると、オレンジ色の果肉が真っ赤な膜で覆われています。この奇妙な形のナンバンカラスウリは、近年欧米や日本で人気がたかまっています。米国農務省（USDA）のデータによると、リコピン含有量はトマトの70倍であり、さまざまな必須栄養素が含まれており、「天国から来たの果実」と呼ばれています。ベトナムやタイなどでは、ナンバンカラスウリの機能性食品の研究・開発に積極的に取り組んでいます。

原住民の伝統食材と珍味

ナンバンカラスウリは、ウリ科のニガウリ属の多年生作物です。俗名を「棘苦瓜」といい、 夫妻果、陰陽果とも呼ばれます。その種子は木は扁平で、木のようでスッポンにも似ており、北京語で「木鱉（木のスッポン）果」と呼ばれます。 ほとんどは、インド、中国南部、オーストラリア北東部などに分布しており、台湾では花蓮・台東地区に原生種がみられます。 アミ族はsukuyと呼び、プユマ族ではhamunlyと呼ばれます。 ナンバンカラスウリはアミ族の原住民料理に欠かせない食材であり、ベトナムの伝統食物でもあり、慶事や結婚式でもち米料理に使われ、また「坐月子（産後の肥立ち）」のための栄養食品でもあります。

人工授粉と害虫管理に注意

ナンバンカラスウリは、2007年に試験的に栽培が行われており、近年ベトナムの品種が主に栽培されています。台東農業改良場は、台湾原生種から「台東1号」を作り出しました。この品種は植え付けに適しており、台湾全土で開花し実を結んでいます。

ナンバンカラスウリは蔓性作物で、温暖で日当たりの良いところを好み、水はけの良い環境であれば他に難しい条件は必要ありません。

有機農場では、パッションフルーツやヘチマなどの蔓性作物をナンバンカラスウリと一緒に植えます。

ナンバンカラスウリの主な開花期は6月から8月で、主に人工授粉を行います。害虫であるミバエの防除を強化するために、有機農家は性フェロモンを使用して害虫を誘導し、果実を網の袋で覆って保護します。また、果樹園の風通しをよくし、葉や枝に注意を払い、日光が均一に当たるように剪定を行うことで、ナンバンカラスウリの果実はストレスなく育ちます。

根、葉、果実、種子すべてに価値あり

ナンバンカラスウリの果実は、通常受粉から成熟まで約2〜3か月かかり、外観が緑色から黄色に変わった後に収穫でき、一つの重さは500〜600グラムです。 黒い種子以外は、皮や果肉と果肉を覆う赤い膜はすべて食べられ、柔らかい葉も夏の野菜不足の折には主力となる作物です。

ナンバンカラスウリの栄養のほとんど脂溶性です。体に吸収されやすいように蒸す煮るなどの加熱調理することをお勧めします。 調理方法はいろいろありますが、果肉はスープ、リゾット、ライスケーキ、炒め物などにして、種はジュース、酵素、ジャム、ミルクプリン、アイスクリーム、アイスキャンディーなどを作ることができます。根に含まれるサポニン成分は、ムクロジと同じように洗浄効果があります。 種は食用ではありませんが、形、見た目、模様が様々で、芸術的な装飾や生け花の花材に使用できます。

現在、バイオテクノロジー製品には、ナンバンカラスウリオイルカプセルやスキンケア製品があります。 ナンバンカラスウリは栄養価が非常に高いので、多くとりすぎないように少量を何回かに分けて摂ることをお勧めします。