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有機紅ナツメ、若手とベテランの共同イノベーションコミュニティ

有機紅ナツメ、若手とベテランの共同イノベーションコミュニティ

紅ナツメは台湾では1940年以降に苗栗公館で栽培が開始され、今では知られる存在になってきました。公館は特殊な砂礫の土壌で、日中は海峡を渡ってくる海風が吹き、春の夜には雪山山脈から東風が吹いてきます。また、後龍渓からの渓水にも恵まれ、紅ナツメの成長に適した他にはない環境が揃っているのです。
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古い諺に「一日にナツメを三粒食べれば、百歳になっても若さを保てる」とあるように、多くの人がドライ紅ナツメを煮込んで補養していますが甘くカリカリした生の紅ナツメを食べる機会は少ないでしょう。ビタミンCで言えば

レモンを思い浮かべますが、生の紅ナツメには実にレモンの10倍、リンゴの100倍ものビタミンCが含まれています。

紅ナツメは台湾では1940年以降に苗栗公館で栽培が開始され、今では知られる存在になってきました。公館は特殊な砂礫の土壌で、日中は海峡を渡ってくる海風が吹き、春の夜には雪山山脈から東風が吹いてきます。また、後龍渓からの渓水にも恵まれ、紅ナツメの成長に適した他にはない環境が揃っているのです。

紅ナツメは二十四節季の大暑の前後から8月下旬までが最盛期で、採取時間は40日間と短く時期的に台風の季節に当たります。収穫するためには施肥と害虫駆除の両方の効果が必要で、公館の農家では従来栽培が行われてきました。2014年になって、他の地域の若い農家が有機栽培で赤ナツメの栽培を始めたのがきっかけで変化が始まり、その品質、価格、マーケティング宣伝活動が消費者の注目を集め、当地で効果と利益をもたらしています。

有機紅ナツメ栽培は簡単ではありません。若手農家はまず、草生栽培で土壌の養分を増加させ、保水量を保ち、ピーナッツやマメ科の植物が窒素を増やすなど、雑草の特性を利用し、土壌を緑の絨毯のように変えました。生物を持って虫害を減ら目的で、畑に鶏を放ち、虫や雑草を食べさせて糞を肥料にするなどの方法を採用しました。紅ナツメの真菌による病害にはボルドー液を使って改善します。公館の苗栗改良場では、若手農家は専門家に相談することができます。


有機紅ナツメを育てるのは簡単ではなく、乾燥紅ナツメを作るのはさらに大きな進歩です。公館の伝統的な方法は干し場での日干しですが、若手農家が知恵を絞り、建物の屋上に透明のガラスハウスを設置し、そこで日干しにすれば雨を心配する必要がなくなり、ハエや埃の問題も無くなります。ガラスハウスは暖かく、有機紅ナツメの甘い香りが立ち上ります。

有機紅ナツメは管理に人手必要です。若手農家は人手を確保するためにWWOOF世界有機農場組織の国際ボランティアと協力して、魅力的にデザインした市街地のファーマーズマーケットや果実狩りのアクティビティで、市内のボランティアチームを募集します。集まったメンバーは菅笠をかぶり、腰に青い収穫袋を下げ、灼熱の太陽の下で熟した赤いナツメを一粒一粒袋に入れてゆきます。このような活動は同時に、地元の他の農家や住民にも大きな影響や変化をもたらしました。

公館は老人が多く住む集落ですが、若手有機農家の出現により活力が生まれ、人々に有機農業の可能性が広まり、共同体やコミュニティショップが生まれました。さらに、不定期マーケットが企画され、当地の閉塞性が解消されたり、3代目の故郷へのUターンと発展を促し、互いに励まし合い情報交換し、挫折を乗り越えることで、有機農業への道がより身近に感じられるようになりました。

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