まるで真珠のような有機トウモロコシ
- 2024-09-13
- 2024-09-13
- / 356 Views
- /

トウモロコシは、中国語では玉米、番麥、玉蜀黍、包穀など様々な呼び名があり、中米が原産地です。ネイティブアメリカンの主な主食で、16世紀に全世界に広がりました。200年余り前の《台灣府誌》には、「トウモロコシの見た目は粟に似ているが、実際はザクロのようで、葉に包まれた穂に数百の実がはいっている」という記載があります。
台湾のトウモロコシの品種改良、栽培、加工の発展は時代とともに進化してきました。 台湾トウモロコシの起源は、民国45年(1956年)に米国からハワイスイートコーンの種子が導入されたことに始まり、その後、台南地区農業改善農場朴子玉米中心がトウモロコシの品種改良を開始し、台南5号(品種名)を作り出しました。そして、同品種は民国50年代(1960年代)から60年代(1970年代)にかけて台湾栽培されるようになり、主に雲林、嘉義、台南を中心に各地で栽培され、台湾のトウモロコシ産業の基礎が築かれました。

有機トウモロコシは温暖で日当たりの良い気候を好み、有機物が豊富で水はけの良い、深い砂質のローム土壌での栽培に適しています。成長初期や発芽段階には十分な水分を必要とし、収穫作業を容易にするために成長後期には乾燥が必要です。 土壌の活力を維持するために、米とトウモロコシを輪作し、害虫、病気、雑草の発生を減らします。
台湾では一年中トウモロコシが手に入りますが、主な生産時期は春と秋で、品種、色、味、用途が多様です。私たちが普段食べる食用トウモロコシには、ホワイトコーン、ワキシーコーン、スイートコーンなどがありますが、畜産飼料用としては青割トウモロコシが酪農用に提供されています。映画を見ながら食べるポップコーンにはポップコーン用の、装飾用には鑑賞トウモロコシが使用されます。
トウモロコシの他に、ベビーコーン(ヤングコーン、コーンシュートとも呼ばれる)がよく食卓に上ります。これは、受粉のためのひげが伸びる前の若い穂の部分で、トウモロコシの実とまだ柔らかい芯の部分を一緒に食べます。 芯は成熟したあと固くなり、人が食べるのに適さなくなります。

トウモロコシは、台湾人の食生活に合わせ、種類ごとに適した方法で調理されます。例えば、夜市の炭火焼きには白いとうもろこしが良く使われます。白、紫の二色でカラフルなワキシ―コーンは見た目がぷっくりとして、水分が豊富でもちもちと弾力のある食感で、生食や焼き菓子に適しています。また、黄色や白色のスイートコーンは、甘く柔らかいので献立に使いやすく、ポタージュスープや鍋物、もしくはコーン缶を作るのに適しています。 最近では、フルーツコーンが食卓の新たな人気者となっています。そのほかにも、食卓でよく見かけるのがトウモロコシの若穂で、細長くて先端が太く下がタケノコに似ていることからコーンシュートと呼ばれています。 また、トウモロコシはおやつやスナックにもなり、朝食のシリアル、コーンスティックやチップスなどとしてあらゆる年齢層に愛されています。
近年、台湾の人々は砂糖の摂取に対して以前より敏感になっています。ほとんどの人はトウモロコシを野菜だと思っていますが、実際はでんぷん質の食品です。トウモロコシ1本はご飯の量の8割に相当するので、摂取量は適度でなければなりません。 また、イエローコーンにはルテインとゼアキサンチンが含まれており、目に良い効果のある成分を含む食品です。
とうもろこしは食卓に並ぶだけでなく、食品業界で甘味料としても広く知られており、コーンスターチから作られる果糖ぶどう糖液糖は飲料やスナックの甘みとして使われます。 また、バイオマスエネルギーとしても利用され、アルコールを生成し、ガソリンの燃焼率を向上させ、二酸化炭素の排出量を削減するのに役だちます。また、プラスチック原料にコーンスターチを添加して生分解性プラスチックを製造したりするなど、トウモロコシには私たちの想像を超える用途があると言えます。